岐阜県博物館『百年公園で秋を見つけよう』

開催した日:

 morinos岐阜県博物館による連携事業、『百年公園で秋を見つけよう

 本日は森林文化アカデミーの津田格教授と岐阜県博物館の土屋寿美先生が各々、野生きのこと植物をメインに、様々な「秋みつけ」を指導してくださいました。もちろん森林文化アカデミーは「きのこ」を中心に自然散策です。

 百年公園北側の水辺エリアにはケヤキやクスノキ、マテバシイなどの樹木が植栽されていますが、その何本かにはコフキサルノコシカケという木材腐朽菌がきのこ(専門的には「子実体」と言います)が発生しています。

岐阜県博物館の秋見つけ

岐阜県博物館の秋見つけでコフキサルノコシカケを発見

 

 今年は9月に入ってから雨が少ないため大変乾燥して、あまりきのこが発生していません。

 博物館に上がっていく坂の横、ソテツが生えている後ろでベニタケの仲間を発見。少しフェアリーリング的に半円状に発生していました。

ベニタケの仲間を発見

 

 津田先生が「これはドクベニタケの仲間ですが、種類が多いので」と言いながら、少し口に入れて嚙みました。しばらくすると、「辛いです。」と言われるので、JIRIも齧ってみました。

 すると津田先生が「これはドクベニタケに間違い無いです。」と発言され、そのころにはJIRIの舌先は「びりびり」と痺れるような辛味で麻痺してしまいました。

齧ったドクベニタケについて解説する津田先生

 

 少し進んで、百寿の塔の下でも古いコフキサルノコシカケの下から、新たなコフキサルノコシカケが発生してきていました。子どもたちも真剣に「硬さ」や「しっとり感」などを確認していました。この木の死んだ組織を腐らせてコフキサルノコシカケがどんどん成長しているようです。漢方薬局でも取引される種類です。

百寿の塔の下にもコフキサルノコシカケが発生

 山に上がるとアカマツの切り株がありました。そこから白いきのこが生えていました。

 これはマツオウジです。子どもたちは恐る恐る触っていますが、食べる人もいるようなきのこです。一般的なきのこらしい形で、香りもきのこらしい臭いです。

生えているところを観察する子どもたち

 

 採取したマツオウジについて、津田先生が形態や生態を解説されました。同じような形をしていても木材を腐らせたり、樹木の根とつながって助け合う「共生菌」もいることなど、きのこの不思議な生態を解説されました。

マツオウジについて解説する津田先生

 山を下りる途中の法面で、クチベニタケの群生地を見つけました。小さな口紅状態の説明や、胞子がホコリタケのように噴出すことも説明され、子どもたちがクチベニタケをつついては胞子を噴出させて楽しんでいました。

 

クチベニタケを解説する津田先生

 

 また少し下って行くと、次はニオイアシナガタケホコリタケムラサキアブラシメジモドキシロカイメンタケなどが見つかりました。

 大人はなかなか見つけられないのに、子どもたちのきのこ発見能力の高さは恐るべしです。そしてきのこについて詳しいお子さんがいたことも意外でした。びっくりするほど、よく知っていました。

様々なきのこを発見しました

 

 だいぶ下の方に降りて来ると、斜面の穴に「何やら青く光る」部分がありました。写真では撮影しても判然としませんでしたが、それはロクショウグサレ菌の仲間のようでした。

 次に古く腐りかかったものと、まだ発生し始めのきのこを発見。

ツブラジイの根が腐って、そこからきのこが発生していることを説明する津田先生

 

 このきのこはオオワライタケです。もっと小さいワライタケに似ていることから名が付いていますが、ワライタケは所持することさえ法律に違反するような恐ろしいきのこです。写真のオオワライタケは毒きのこですが、日本の一部地域で食用としていた歴史もあるようです。絶対食べたyダメですよ。

オオワライタケの幼菌

 

 最後に、なんとドクツルタケの仲間を発見。

 これはタンチョウツルタケダマシで、本当に危険です。食べれば確実に死亡します。この山を下る道沿いは、谷地形であるため湿度が高く、百年公園の中でも最もきのこが発生しやすい環境だったようです。

ドクツルタケの仲間を説明する津田先生

 

 さて、今日の観察会、見てきた「きのこ」は

 ①コフキサルノコシカケ、②ホウロクタケ、③ドクベニタケ、④カワラタケ、⑤マツオウジ、⑥クチベニタケ、⑦ニオイアシナガタケ、⑧ホコリタケ、⑨ムラサキアブラシメジモドキ、⑩シロカイメンタケ、⑪ロクショウグサレ菌、⑫チチタケSP,⑬オオワライタケ、⑭タンチョウツルタケダマシ、⑮チャカイガラタケ、

 以上15種類でした。きのこって面白いよね。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

 

 

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