森林空間利用のためのMRS-1ベーシックツリークライマー講習会
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morinosの団体連携講座『森林空間利用のためのMRS1ベーシックツリークライマー講習会』、この講座はツリークライミング®ジャパンと共催で、森林空間をレクレーション利用するためのMRS1ベーシックツリークライマー技術を取得する講座です。
今回は森林文化アカデミーのエンジニア科学生の他に、美濃市にご家族でIターンされた方や近隣市町村の方、愛知県の方、長野県の方が参加されました。
まずは「どのようにツリークライミングするのか」を見学しました。今回の講習会のメイン講師はTCJ(ツリークライミングⓇジャパン)オフィシャルインストラクターの近藤紳二さんです。クライミングネーム、「近ちゃん」の解説を聞きながら、参加者はイメージトレーニングします。
樹上でどのように動けるのか所作を見学して、各自が自分がクライミングした時をイメージします。これらが終了したら、スローラインの練習です。
最初にコナラの幹に手を当てて「宜しくお願いします!」と挨拶してから、スローラインを投げる練習をしました。本来は「落ち葉掛け」をして、踏圧害防止と森への貯金を実践しますが、今回は事前に林床対策を施しておいたので省略しました。
スローラインがOKになれば、ロープセッティングです。
まずはロープにハウススリーブを通し、ロープ先端にスローラインをクローブヒッチ、ハーフヒッチ、クローブヒッチと結びます。
その時に何をすべきかもしっかり覚えます。
ロープに2人以上でぶら下がる「プル・チェック」も実施しました。
ロープが設定できたらロープワークです。 「あれ、それでよかったかな?」と近ちゃんに聞かれながらも、しっかりノットやヒッチ確認をしなければ、クライミングすることはできません。
ロープワークも完璧になったら、クライミングです。
最初に「オン・ロープ」とロープの占有宣言をします。
BARKチェック、バウンズチェックしてから、「クライミングアップ」コールして、クライミングです。フットループに足を掛けてクライミングアップして、スリップ。ノット(セイフティ・ノット)を作りながらアップしていきました。
そろそろ一日目の夕方です。全員がギア類のクリーンナップに入ります。暗くなる前にギア確認しないと、紛失する恐れも高くなるので、安全重視ですがみな急いで回収しています。
周辺が暗くなると、夜の講義です。
最初はTCJⓇファウンダーのジョン ギャスライトさんからのメッセージを視聴し、テキストにそってツリークライミングの歴史やコール・クライミングシステムなどの再確認です。
「木と友達になろう」「地球は大きな貯金箱」を基本に、①Low & Slow、②Not 3 D、③Never Off Rope などもです。
次に、テキストを参考に、日中に実施した内容の再確認とその意味について学びます。
一日、英語のコールでお疲れですが、19:00過ぎまで一生懸命に学びました。
さてさて2日目です。今日も快晴です。まずは「もくもくストレッチ」からです。
まずは寒さを忘れるためにも、モクモクストレッチで体をウォーミングアップさせ、緊張もほぐします。全員が樹木やドングリになった気持ちで体と心をほぐしました。
続いて、アンカーの確認です。
全員が配付された写真を見て、枝や樹木全体を見て、安全なアンカーか否か。もしも問題があるとすれば、何が問題なのか。
樹木や周辺環境のどこをどう見るべきか。など様々なアンカーポイントについて、全員で再確認しました。
近藤さんが持参した木の幹を見て、これはバークリッジが確認できる安全なアンカーなのか、樹皮が幹に挟み込んだ入皮した危険なアンカーなのかを判断していました。そうした標本の中に、わざわざ割材したものがあり、しっかり内部に樹皮が入っていることを見せてくれました。
続いて、実際の樹木でどのように見えるのかを確認します。
近藤さんがレーザーポインターで指し示す枝はどうか? 一見すると枝が「少し膨らんでいるだけで、問題無さそうに見える」でも、反対側に行って観察すると「その場所は樹皮がはがれ、腐朽菌が入っている」などと、危険因子の見方も学び、安全なツリークライミングに心がける気構えを学びます。
スローラインのトラブルシューティングやスプリットテールシステムも学びます。
スローラインではストラミングやフック&リフトも体験しました。スプリットテールの得失も理解しました。
次はランヤードの使い方を学びます。最初は近藤さんが地上で利用方法を説明し、続いて樹上で実際操作、最後は各自で地上とクライミングした樹上の両方でランヤードを使ってみました。
ランヤードの使い方を学ぶ
様々学ぶ中で「エイト環」の使用方法も学びました。
これはイベント時におけるビレイするときに利用します、エイト環へのロープの入れ方や、ビレイされる人への声掛けなどを学んで今後に生かします。
樹上で大枝の上を移動するリムウォーク、どのようにアクセスしてランヤードをどのように操作するのかを近藤さんが実演しました。
参加者は樹上では危険なので、架空の枝を想像してどのようにロープにテンションをかけ、どのようにランヤードを掛けるのかを学びました。こうした繰り返し練習をすることで、安全なツリークライミングが保障されるのです。
まだまだ講習会の途中ですが樹上も含めて「記念撮影」しました。
ツリークライミングを楽しませてもらったコナラの大木とともに、「ツリー」と掛け声して記念の全員写真を撮影しました。
フィールドでの最後は、2日間クライミングさせてくれたコナラ大木へのお礼と、お礼の木の地を込めた感謝の落ち葉掛けです。
最初から土壌が露出していた場所もありましたが、これで完璧です。
最後に室内での確認テストです。
安全で楽しいツリークライミングのために、 ①Low & Slow、②Not 3 D、③Never Off Rope などを再確認するだけでなく、「木と友達になろう」「地球は大きな貯金箱」のために具体的に何をすることができるのかを確認しました。
さてみなさん2日間、ご苦労様でした。ロープワークが忘れないうちにツリークライミングを再開されますことをお勧めします。またお越しください。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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