全盲の加藤さんから学ぶ、森体験!
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みなさん、こんにちは、JIRIです。
今日は夏に来てくださった全盲の広瀬浩二郎先生に続いて、おもちゃコンサルタントマスターで木育インストラクターでもある加藤理香さんのお嬢さんの海砂希(みさき)さんにお越し頂いて、「すべての人に!」つながる森体験とアドバイスを頂きました。
モリノスでは建築の説明や、家具の説明をする中で、家具類を手で触って木材組織の違いや、針葉樹と広葉樹では進化の過程が違うこと、種類数の違うことを説明し、実際に環孔材とはどうのような肌触りか、樹種にとって違う机の重さを体感してもらいました。挾土秀平さんによる壁では、触ってもらって土の違いや、ヒノキの樹皮壁を体感してもらいました。
またマツボックリの話になったので、アカマツやクロマツ、スラッシュマツ、シュガーパインのマツボックリや、それをリスが食べてエビフライ状態にしたものに触れてもらいました。世界最大のマツボックリを作るシュガーパインのエビフライを触ると、マツボックリの羽を形成している鱗片がらせん状についているのが、はっきりと分かります。
外では106年生のヒノキ柱の大きさや、肌触り、斜めに立っている柱の感触をしっかり感じてもらいました。
ティピーでは焚火の温かみが薪ストーブとどのように違うのか、焚火の炎と薪ストーブでの温かさ、安全性についてお聞きしながら、スモーク状態の一時を過ごしました。
昼食を終えてからはモリノス広場から、外に点検に出かけました。
自力建設「コナラの小径」周辺に設定してあるプレーナーチップやスギ・ヒノキ球果の道を歩いてもらいました。スギの球果が敷き詰めてある場所では、球果の香りも嗅いでもらいました。五感で感じる散策路体験です。
次に、ナバさんが合流です。
さっそく、海砂希(みさき)さんを誘って演習林に向かいました。森の入り口で、コナラの幹に手を当てて、「森の神様、お邪魔します」とご挨拶をしました。
海砂希さんも白杖を手に、どんどん山に登られ、広瀬先生と同じように道なき道を登る「イノシシコース」で四寸傘を目指しました。広瀬先生同様、私たちと変わりなくスイスイと自力建設「四寸傘」を目指される姿に驚くばかりです。
四寸傘に到着後は、コナラの倒木に腰をかけて、ナバさんと一緒に「森談義」しました。全盲の方すべてが森に来られるわけではないので、どのようにすべきか、どんな条件が必要なのかもお聞きしました。
「全盲なので、足の裏感覚が重要だよね!」っと言って、ナバさんが海砂希さんに「裸足になりましょう!」と無茶ぶり。 なんとためらうことなく、裸足になって落ち葉の上を歩いてくれました。これも森の効果なのか?
下山コースは、「山の神」回りにしました。108年生のヒノキとスギが生える前にある磐座(いわくら)で、無事の下山をお祈りし、周辺に生えている苔の感触も体感すると同時に、谷渡る風とせせらぎの音を感じ取られていました。
さて、今回は加藤さんにお願いして、全盲の方がモリノスを利用した場合の改良点や、今後どのように活動していくのかについてヒントを与えてもらいました。私たちはまだまだ発展途上ですが、少しでも「すべての人に!」に近づけられればと考えています。
加藤海砂希さま、加藤理香さま、本日はありがとう御座いました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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