”小さい人”と”大きい人” 〜野外自主保育 森のだんごむし〜
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今年もまた野外自主保育「森のだんごむし」を3人の「小さい人=(子どもたち)」が卒園しました。
卒園式といっても、いつもの森の中でいつものようにみんなで過ごすだけ。今年は、OBOGもたく
さん遊びに来てくれて、なんだか森の中で大きな親戚の集まりをやってるみたい!!
まさに森の大家族。
ちなみに「小さい人」とは子どもという分類でその人を見るのではなくひとりの人間として見る
感覚です。

今回嬉しかったのは、小学5年生になった卒園児と一緒に活動場所のデッキをインパクトで
張り直したこと。なんだか息子が森に帰ってきたみたい!!

ちなみにデッキ材は看護大生が運搬し、そして塗装は森のだんごむしの子どもたちと一緒に塗り
ました。こうして空間を共に創れるのは本当に幸せなことです。

そしてなんと今年は、保護者とは別に、ひとりの「大きい人」も卒園しました。
「森のだんごむし」は、保護者が中心になって森の中でお互いの子どもを見守り合う子育て
サークルです。
森に見守られながら自由に遊ぶ子どもたちをきっかけに、保護者も(というより「保護者が」)
成長していきます。子育てをきっかけに、保護者自身が自分自身の課題(人生の宿題?)に
向き合うのです。森の中で子どもたちが生まれつき備えている命のチカラにグイグイ押されて
育っていく姿を見ながら、そのことを忘れてしまった大人たちはハッとさせられるようです。

そんな空間で小さい人との関わり方を学びたい!なんて理由から、森のだんごむしには、
「大きい人」も入園してきます。
スタッフとして関わったり、混ざって一緒に遊んだり、お母さんたちと話し合ったり。。

そんな「大きい人」が5年間関わって卒園する際に、何を感じたかを手紙で
くれました。例年であれば毎年このコーナーで私の1年間のふりかえりや
感じたことを書いているのですが、今回のこの手紙の内容が素敵だったのと、
私自身も日々感じていたことなので以下に紹介したいと思います。
なんちゃって先生 萩原・ナバ・裕作
********(ここから卒園した大きい人の文章)**********

「わたしとだんごむし」
アカデミーの研修で出会ったり、森のだんごむし主催の講演会があったり、そんな時に
森のだんごむしのお母さんたちとはちょこちょこと関わらせてもらうことはあった。
でも保育をしている現場は、それこそ昔にチラッと見て以来。
わたしはただただそこで「母」とか「保育者」とも違う1人の自分として立っている
だんごむしのお母さんたちに出会った。

そして小さい人たちは、「保育」の中での子どもと違う姿でそこにいた。
15年前に自分の地元で森のようちえんに関わるようになり、もっと広くどんな家庭の
人にも自然の中で過ごす時間を保育の中で保障できないかと思った。それで小規模保育
の保育所に移り、地域の里山、森、公園、毎日外へお散歩に出かけていっぱい自然の
中で過ごす時間はあった。

役所を通してさまざまな家庭の人種のお子さんが入園してきた。暮らしもあって理想的
に見えた。でも野外での時間や野外活動があれば小さな人が幸せかといえば、もっと
大切なことがあり、根本を守れないと小さい人は幸せではないことに直面して園にその
ことを訴えたけれど変える力がなかった。
小さい人が大切にされる世界ってなんだろう。
道に迷ってしまった。 その時に、だんごむしを見学させてもらった。

はじめてのだんごむしの日。
活動場所に着くなり、自分でリュックからお弁当箱を出して食べ始める小さい人の姿。
大人は手伝うわけでもなく、火を焚いて他の子たちもそのことに(お弁当に)気が行く
かんじでもなくただその子は自分が食べたいから着くなり自分の意思で食べ始めただけ
なのだ。

母たちといえば、おしゃべりをしながら小さい人たちの気配を(きっと)感じつつも
特に何ってこともなくわたしにもお餅を焼いてくれていた。

大人の関与が最小限の世界。
小さい人は小さい人として大人は大人として自分を生きる世界。
あの日の、自分の心が広がって蘇っていくような感覚、胸に息が入り出ていく感覚は
私の中に今も息づいている。こんな世界があるんだって。
自分を生きるって

自分のやりたいことがわかるという感覚。
誘導からではなくて、自分の内側から湧いてくる力。
こうなりたい人のいる世界で、小さい人は模倣を繰り返して「やりたい」に挑戦し続ける。

森のだんごむしの母たちに出会って、私が再獲得したもの。
待っていてもらえる感覚。そのままのユニークさを理解してくれる人たちとの関わり。
帰ることのできる場所がある安心感。

そうもう一度、自分のやりたいに向き合う力をもらった。
自分でいるってことは時に辛いこともある。
森の木々のように、小さな死と再生を繰り返して母たちは1人の「自分」になっていく。
母たちがだんごむしの中でその後ももがきながら自分であり続けようとする姿は、
小さい人たちは全身で感じ取って、何も言わなくても、自分になっていく。

その子しか咲かせられない花を咲かせるんだと思う。
私もだんごむしを卒業して(卒園か)どんどん私になるだなって思います。
森の神さま、だんごむしの母たちと出会わせてくれてありがとう。
ナバさん、だんごを言い出しっぺしてくれてありがとう。
(2026年3月15日 卒園した”大きい人”より)

休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
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