森のじかん『清見中学校 森の恵み体験』
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森林総合教育センターmorino de vanによる出前講座。本日は、高山市清見町の清見中学校で全校生徒を対象に『森の恵み体験』を実施しました。
今回は、周辺の森林で採取した木の枝を使ったスティック・ゲームと、その枝を利用した火起こしをチーム対抗戦で実施してきました。

初めに本日の体験内容を共有
1つ目の『森の恵み体験』はスティック・ゲームです。学校周辺の森林で採取したスギやヒノキ、コナラやクリなどの枝を手に持って、学年対抗でチーム力を競いました。
学年ごとに円になり、手に持った枝を隣の人に渡していくスティック・ゲームに挑戦します。

スティック・ゲームに集中する生徒たち
生徒のみなさんは、「どのようにすれば枝が安定するのか」、「隣の生徒に手渡す時に何に気を付ければ良いのか」、「受け取る時にはどうしたら良いか」、などを失敗しながら試行錯誤して成功への道を1歩1歩進んでいきます。

成功した達成感にひたる生徒
1年生も、2年生も、3年生も、スティック・ゲームを成功させたので、次は全校生徒で大きな1つの円になって、再度スティック・ゲーム開始です。
全学年で実施するので、身長差があり、使用する枝の重さも長さも、一層変化に富むため、これまで以上に難しくなります。

全校生徒で大きな円になってスティック・ゲームに挑戦
全員となるとなかなか上手くいかないかと思っていたら、予想以上に感覚が良く、学年対抗時に実施した課題2つを、少しの練習で簡単にクリアしました。
素直な生徒が多いため、失敗を素早く修正できたのかもしれません。

全員での息の合わせ方を再確認
スティック・ゲームの仕上げは、全員のスティックを立て掛けて自立させるチャレンジです。
立て掛ける位置や、枝同士が支え合って自立できるよう考える必要があります。最初のうちは枝の本数が少ないので不安定ですが、本数が増えるにつれて微妙なバランスで自立するようになってきました。

手に持ったスティックを自立できるようチャレンジする
音頭をとって立て掛け方を指示していた複数の生徒のお陰で、見事にスティックは自立しました。
みな、自分たちのチャレンジが成功したことに大満足で拍手が起こりました。

見事自立したスティック
さて、2つ目の『森の恵み体験』は火起こし体験です。
火を起こすには酸素と火種と燃料材が必要です。今回は火種を作るための火起こし体験ですが、その火種を育てるには先ほどまで使っていたスティックを燃料材として利用します。
まず、手で棒を擦って火を起こす「錐揉み式」の見本を見てもらいました。

錐揉み式火起こしの見本を見る
火錐棒を摩擦して削りカスを溜める必要があることを確認した後、1~3年生の混成チーム(A、B、C)に分かれて火起こしチャレンジです。
火を起こして、小さな火をより大きく育てるために、焚火台のサイズに合わせてスティックを手鋸で切りました。

焚き火台に合わせてスティックを切る
この火起こしは、太いロープを操作する際にチーム力を発揮させないと成功しないため、どのように息を合わせるか、力の入れ具合をどうしたら良いかを、生徒自身が考えて実施する必要があります。

どのようにロープを引けば良いのか試行錯誤する
火種を作るためには、リズム良くロープを引いて火錐棒を滑らかに回転させることが重要です。しかし、意外に力が必要なのが、その火錐棒を安定させるための押さえ役です。
安定して火錐棒が動けば多くの摩擦カスが発生し、その中に火種ができるのです。

何度も挑戦して煙を発生させる
チームの仲間が火種づくりに挑戦している間、手の空いている生徒は火種を包んで小さな火を育てるための麻縄を解します。
この麻縄がうまく解れていないと、繊細な火種が小さな火にまで育ってくれないのです。繊維の塊が無いように、丁寧に解してホワホワにしました。

火種を包むために麻縄を解す
火種ができたチームは、解した麻縄に大切に包んで、酸素を吹き込みます。息を吹くのは弱くても良いのですが、なるべく長くゆっくり吹きかけることが重要です。
最初は少なかった煙も、酸素をうまく供給することで、モクモクとむせ返るほど立ち上り、瞬間的に炎があがるはずです。

火種に空気を吹き込んで小さな火に育てる
30秒ほど息を吹きかけて酸素を供給すると、一瞬にして燃え上がり、生徒たちは拍手して喜びを分かち合っていました。
何とも言えない達成感を感じたそうです。

解した麻縄に着火して喜ぶ
焚き火台の燃料材も燃え始めたところで、教頭先生が用意して下さったポップコーンづくりにも挑戦しました。
フライパンにサラダ油とポップ種(爆裂種)のトウモロコシを入れて、ゆっくりフライパンを揺らします。
様子を見ようと蓋を外すと、いきなり爆裂して周囲に飛び散る場面も見られました。

焚き火台の上でポップコーンつくり
自分たちで起こした火でつくったポップコーンは、少量の食塩を振っただけで特別な味付けはしていませんが、誰しも「おいしぃ~、もっとたべたぁい」などと言いながら楽しい時間を過ごしました。
そして最後に、『森の恵み体験』を通して、どのようなことが重要だったのかを説明し、様々な感想を発表してもらいました。

最後に感想を発表
生徒は、息を合わせてチーム力を発揮するための掛け声や、隣の人への思いやり、仲間を思うことで生まれる成果などの感想を発表しました。
今回の出前体験に際し、下準備して下さった三島教頭先生、枝採取に協力して下さった地元の塩谷さん、そして何よりも今回の体験活動を楽しんでくれた清見中学校のみなさんに感謝致します。ありがとうございました。
以上、報告はJIRIこと川尻秀樹でした。
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