神渕小学校で森の出前体験~川のきれいさに迫る~
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今回の森の出前体験は前回に引き続き、七宗町立神渕小学校に行きました。学校の近くを流れる神渕川は、どうしてきれいなの?と疑問をもっていた3、4年生たちと活動をしてきました。

張り切って川の中へ
集合して、まずは『五感を使って川を感じよう』とさっそく川に入ります。少しずつゆっくり入ってみる子、深みのある場所まで行ってみる子、それぞれ自由に過ごしてもらいました。

見て、触って、聞いて、嗅いで、川を感じます
一度、岸へ上がって「何か気づいたことがある?」と訊いてみると「見た目より深い」「石がヌルヌルしていた」「魚がいた」「夏に遊んだ時よりも水が冷たい」「なまぐさいにおいがする」「流れが速いと思った」「鳥の声や水の流れる音が聞こえた」などと感じたことを教えてくれました。
今は『啓蟄』と呼ばれる時期。冬眠などしてこもっていた虫や生き物たちが、春のあたたかさを感じ、外へ這い出てくる頃です。そこで川の中にも色んな生き物が動いてないかな?と思い、川の中の生き物探しを行いました。

子ども達に網をどちら側に置くといいか考えてもらう
スタッフから生き物を採取するコツを聞いた後、それぞれ網とバケツを持って思い思いの場所へ移動。網を立てて,川上の石をひっくりかえしてみたり,網のすぐ手前で足踏みをしてみたりしながら,網の中に流されていく生き物をすくい取ります。

何か生き物が入った!

生き物探しに夢中
カゲロウやカワゲラ,トビケラ等,どんな生き物を採取できたか,バットの中をのぞき込みながらみんなで観察します。とはいっても,生き物の種類を区別したり特定したりするのはなかなか難しく,指標生物の絵や写真と何度も見比べる姿がありました。

脚やしっぽがあるか?と、みんなで見比べる
川にすむ水生昆虫などの種類や数で川の水質を判断することができます。みんなが見つけた生き物から判断すると、神渕川の水は「きれい」という結果に。

パックテストに挑戦
さらに、そのきれいさを数値化して確認してみようと、水質を簡単に調べることができるパックテストを実施しました。川の水を、試薬と反応させて、どんな色になるかを見届けます。

反応した色の結果を判定する
パックテストでも「きれい」という結果が出ました!
最後に、川の始まりから終わりまでを知ってもらうために、絵巻絵本を見せました。川の流れとともに、周囲の自然環境や人と自然との関わりなど、細部に渡って丁寧に描かれています。「みんなの住んでいる場所は、川のどの辺りだと思う?」と質問してみました。すると口々に「山の方、森がある所!」との答えが返ってきました。

自分たちの地域は山や森に近いことを確認
川がきれいなのはなぜだろう?と疑問をもっていた子ども達に、山や森林の働きについて説明しました。①木々の生える森には、豊かな土壌があること。②土壌には微生物がたくさん暮らしていて降った雨や汚れた水を浄化してくれる作用があること。③雨が降って、積もった落ち葉や微生物がいる土壌を通過し地下に届いて岩の間を流れるなかで水はきれいになること。子どもたちは熱心に耳を傾けていました。
活動の終わりに「いつまでもきれいな神渕川で遊べるといいな」ポツリとそんな言葉を言った子がいました。5年後、10年後、30年後・・・・思い出がつまった神渕川に、成長した子どもたちが訪れる。未来にはそのような光景があると願っています。
以上報告は、どいっひこと土井早谷香でした


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