百年公園での『里山林整備講座Ⅰ』
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岐阜県関市にある岐阜県百年公園。この公園は明治4年の廃藩置県と太政官布告によって美濃諸県が統一されて岐阜県になり、1971年11月で百年を迎えた記念事業として建設が始まり、1975年(昭和50年)に面積約100haの県立公園として開園しました。
敷地面積の多くはコナラやヤマザクラ、ソヨゴなど、この地方の代表的な里山林が広がっており、敷地内にはダム建設で湖に沈む運命にあった国登録有形文化財旧宮川家住宅主屋(旧徳山村民家)があるため、ロケーション的にも里山林整備が望まれています。
最初は樹木が成長する上で重要な菌根菌について学んでもらい、続いて針葉樹と広葉樹の生態的、組織的違いや特性について学んでもらいました。
また植物が発する揮発性成分や菌根菌を利用した栄養戦略で樹種を越えて交信していることを動画で確認してもらいました。
午後からは里山林整備をする上で重要な樹種鑑定です。
公園の園路沿いにはアベマキの大木が数多くありますが、そのアベマキに似たクヌギやクリとの見分けのポイントは何か?
実際に葉を手に取って、樹種ごとの違いを1つ1つ確認していきました。
葉の縁は鋸歯縁か全縁か、単葉か複葉か、掌状複葉や羽状複葉の1枚の葉とはどう見るのかなど、樹種を判別するためのポイントを学んでもらいました。
「この樹種は何ですか?」の問いに図鑑で調べる参加者のみなさん。
まず検索方法が見分けの重要なポイントです。図鑑をめくって絵合わせするのではなく、検索表を使って系統的に判別するのです。
今回は林将之さんの図鑑を用い、鋸歯縁や全縁、落葉か常緑かなどを見ていきました。少し慣れれば、知らない樹木でも次々調べられるようになっていきました。
最後に旧宮川家住宅主屋(旧徳山村民家)の裏山に入って行きました。ここでは里山生活で重要視されてきた樹種とあまり利用されなかった樹種、また利用されてはいないが希少種の樹種など、今後はどれを残してどれを伐採するのか検討しました。
さて今回の里山林整備講座は1回目です。次回は1月に実際に整備に取り組んでいく予定です。来年以降この旧宮川家住宅主家と里山林が一体化した里山風景になることを願っています。
以上報告はJIRIこと川尻秀樹でした。
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