『ひだ木遊館 木っずテラスオープン記念!森のあそび場を一緒に考えてみよう』を実施しました
開催した日:
morinosでは、幼児のための自然体験活動の広がりを受け、森のようちえんスタッフや保育園、幼稚園のスタッフ等、自然体験指導者に向けたスキルアップ講座を開催しています。
今回は高山市の「ひだ木遊館 木っずテラス」の開館に伴い、この施設の周辺でどのようなプログラムができるのか、施設の運営上の課題や今後の活用法のアイデアなどを参加者みなさんと一緒に考えました。
講師に岐阜県立森林文化アカデミー特任教授のJIRIさんこと川尻秀樹さんを迎え、飛騨地域を中心に県内各地から13名の方に集まっていただきました。
まずは室内での基礎講座。レイチェル・カーソンの提唱した「センス・オブ・ワンダー」の言葉の紹介から始まり、樹木が発生した歴史、針葉樹と広葉樹の林の違い、そして樹木の天然分布などを学んでもらいました。
講義のあとは、施設の周りの自然物を使ってどのようなプログラムができるか、参加者の目線になって体験してもらいました。
渡されたのは1枚の紙皿。これを使って行うことは、施設の庭に生えている草や、落ち葉を集めて料理を作るというシンプルなものです。何をどうするかは自由。それぞれイメージを膨らませて、自分のとっておきの料理を作りました。
自分の料理を作り上げたあとは、みんなで鑑賞会。料理にタイトルをつけて、何をイメージしたか、こだわりポイントなどを1人ひとり発表しました。
同じ自然物を選んでいても、どのように使うか、何に見立てているかは人それぞれ違います。「実際にプログラムを行うときは、鑑賞会で共有する時間を大切にしたいね」といった感想が聞かれました。
続いての体験は「日本の古代色探し」。参加者同士がペアを組み、渡された色カードと同じ色を自然物から探します。これが案外、難しい。緑といっても山葵色(わさびいろ)、苔色(こけいろ)、若葉色(わかばいろ)と実はたくさんあるのです!
色カードと自然物をじっくり見比べ、なんとか全員のペアが自然物を探し出しました。
このプログラムの目的は、じっくり見て、微妙な色の風合いに気づくこと、日本の古代色は、豊かな風土から生まれた樹木や木花など自然そのものの姿や生活に結び付いた色だと知ることとの説明に、参加者のみなさんは熱心に耳を傾けていました。
午後からは「ひだ木遊館 木っずテラス」の運営に関するグループ討議の時間。プレオープン時に実際にあった出来事や木っずテラスのスタッフが感じている課題について考えました。
挙がった課題の1つには「祭りの屋台を模した遊具に登る子どもと降りる子どもがいて、危ないと思って一方通行にしています。他にいい方法はありますか?」といったものがありました。こういった課題に、「ここは何を目的にしている施設で、大事にしたいことはなに?」「ルールを大人が決めるのではなくて、子ども達が自分たちで考えられるようになるといいね」「スタッフの配置を見直そう」と活発な意見が出ていました。参加者の中には、別のフィールドで既に実践されている方もいて、「うちの団体ではこうしているよ」「こういう方法もあるのでは?」とお互いに学びあう光景がありました。
ひとつの考えが絶対ではなく、いろんな視点、関わり方を見ながらその施設なりの価値観や運営方針を醸成していくことを目的とした今回の研修。熱心にメモを取ったり、質問したりとあっという間に過ぎた1日でした。木っずテラスにかかわる方はもちろん、参加者のみなさんが、それぞれのフィールドでの活動につながる何かを見つけて下さったことを期待します。
以上報告は、どいっひこと土井早谷香でした。
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529