「⾃然ガイドと⼀緒にiPad で描いてみよう!」を実施しました

開催した日:

自然ガイドとして各地で活動している久松信介さんをゲストに迎えて、身近な植物や生き物を題材にじっくり観察して、タブレット端末であるiPadで描く講座を9月7日(土)に実施しました。岐阜県内から9名が参加しました。
iPadで絵を描こう

ほぼ全員がiPadを使って絵を描くのは初めてということで、やや緊張した面持ちの中スタートしました。
久松さんから自己紹介と今日のポイントを始めに話していただきました。
自然ガイドとして15年ほどのキャリアを持つ久松さん。でもデジタルはもちろん、アナログ(色鉛筆等)で生き物を描き始めてまだ3年ほどしか経っていないそう。「短期間でこれほど上達した秘訣は?」という問いに「とにかく描きたいものを描く。やる気が継続と上達には重要。」とのこと。
デッサン教室に通おうとしたそうですが、興味のないリンゴのデッサンから始めるとのことで、これでは続けられないと感じたそう。

続いて、早速iPadを使ったイラストの描き方の基本レクチャーがありました。
今回使用したのは「Fresco」というイラストを描くアプリ。デジタルペンシルとセットで使うと、鉛筆のような細い線から、水彩画の筆づかいまで、多彩な表現が可能です。
久松さん曰く、デジタルの強みは
・多種多様な鉛筆、ペン、絵具が使える
・色も選び放題
・修正しやすい
・トレースで上達できる
・共有、保管しやすい
といった点があるとのこと。半面、デジタルのデメリットとしては、バッテリーが切れると使えない、野外で使いづらい(画面が反射する)、データが破損したり消えると何も残らないといった点があります。
アナログとの優劣ではなく、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で使うことが大切なようです。

最初のワークとして、自分の顔をカメラで撮影し、それを張り付けて名前や好きなものを描く「自己紹介シート」を作成しました。
続いて、顔写真をトレースしてイラスト作成にも挑戦してみました。
慣れないタブレット端末の操作に四苦八苦しながらも、皆さん個性的な自己紹介シートとイラストを完成させました。

休憩を兼ねて屋外に出てドングリを拾ってきました。
ちょうどハイイロチョッキリという虫が、卵を産み付けて切り落としたばかりのドングリが、葉をつけてたくさん落ちていました。

後半は拾ったドングリをじっくり観察しながら、撮った写真をトレースして描きました。
スポイト機能を使うと写真から色を抽出することもでき、初めてでもそれなりの形や色でドングリを表現できるようになりました。

 

久松さんからは、観察して描く際のポイントとして、対象物の「時間」と「関係」を捉えることが重要とのアドバイスが。
例えば、ドングリの場合、
・どのような花が咲き、実が成長してドングリになるのか
・落ちたドングリがその後、どのように芽生えて成長するのか
という時間軸と、
・ドングリは自然の中でどのような役割を持つのか(動物のエサになる)
・ドングリは成長するとどうなるのか(薪や用材として人間にも利用される)
といった関係軸です。

1時間あまりの中で、ドングリとシジュウカラのイラスト作成に取り組み、最後に感想や気づきを描き加えて振り返りを行いました。
・機械オンチなので難しかったですが、とても楽しかったです。絵心が欲しい!
・難しかった…。散歩ではよく拾っていたが、じっくりとドングリを見ることがなく、色選びが難しいと実感した。よく見ることから始めようと思いました!
といったコメントがありました。

最後に久松さんから
・視覚的に「見る」、関係性を理解して「見る」、時間をかけてじっくり「見る」、美しさや価値を鑑賞しながら「見る」、そしてぼんやり「見る」という様々な「見方」をすると、変化に気づけるというコメントをいただきました。

今回、初めてで慣れないことで難しく感じるのは当然ですが、慣れてくれば手軽に描けて修正も簡単にできるため、デジタルの可能性を皆さん実感したようです。

【参加者の声】※アンケートから一部抜粋
・デジタルアートへの「最初の扉」が開いた感じがいたしました。ご説明も段取りも、とても分かりやすく、すんなり身体に入ってきました。くますけ先生の「時間と関係性」のお話に、開眼。「描いていれば、画力は次第についてくる。よく見れば、書けるようになる。書けるようになれば、見ることができる」という言葉も印象的でした。岐阜の森や野原、薬草園の草木、花々をよく見て描いていきたいと思いました。
・こんなにじっくりどんぐりを見たのは初めてでした。黄緑といっても、どれが合うだろう‥と、こんなに色について考えたのも初めてで、やはりじっくり見ることの大切さを実感しました。

報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース自然学校

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