『キャンプインストラクター養成講座』
開催した日:
日本キャンプ協会公認『キャンプインストラクター』養成講習会を2月10~12日にかけて開催しました。
今回の講習会は3日間、岐阜県キャンプ協会の板津 均 会長の他キャンプ協会の役員さん、そして福井県キャンプ協会役員さんから講義と実践指導を受けました。
最初の講義は柿元さんによるアイスブレイクを兼ねた「POINT of YOU(ポインツ・オブ・ユー)」です。ポインツ・オブ・ユーは4つの基本プロセスを提供することで、人が本来持っている本質的な能力を引き出すことができるとされます。
ポインツ・オブ・ユーを実施することで、①OPEN HEART(心を開く)、②BREAK PATTERNS(パターンを壊す)、③SENSE OF BELONGING(つながりの感覚)を得ることを目指します。
基本的に参加者自身のキャリアビジョンと、達成へのステップを言語化するセルフコーチングツールです。
ポインツ・オブ・ユーはイスラエルのYaron Golan氏とEfrat Shani氏によって2006年に作成されたコーチングツール・コミュニケーションツールで、カードを通して「ポージング」「拡散」「収束・気づき」「行動」というプロセスを行い、「自分の視点(Point)」だけではなく「他人の視点(Points)」を得て、意見や思考の活性化を行うことができます。
次は板津会長による講義。
キャンプ協会の教本に従って①キャンプの対象(人間と自然との関係)について基本事項を学びました。
板津会長による講義
次は今夜宿泊するための「安全なテントの設営と撤収の方法」です。
テントを持参した人はご自身のテントを、そうでない方は岐阜県キャンプ協会提供のテントを設営します。
テントサイトとしてどのような場所が安全か、テント設営時に注意すべきことは何か、実際にテントを組み立てた時に、フライシートはどのように設営すべきか、張り綱はどうしたら良いかなど、初めてテントを設営した人にとっては知らないことだらけです。
夕食づくりではカレーライスとサラダを分担作業で19:00までに後片付けできるように用意しました。
ご飯は最近はやっているメスティンと固形燃料で炊き上げます。火加減が心配で覗き込みながら確認されていた方もいました。すべての調理が薪燃料によるものなので、火の管理をする人たちも熾火づくりをするのに挑戦していました。
15分ほどで1人前のご飯が炊き上がります。メスティンで炊くご飯は、吹きこぼれを防ぐためにハンドルをフタの上に掛けるのが本来ですが、炎が強くなって焼けるのを避けるため、下ろして炊いたりします。
各自が得意分野を活かして、包丁で具材を刻んだり、薪による火の管理をしたりと、順調に夕食が仕上がります。
夕食作りは災害時の対応も兼ねているので、いかに水を有効利用できるか、短時間でカレーの具材に火を通すにはどうすべきか、も考えてもらいます。
夜には岐阜県キャンプ協会の板津さんと間下さんから、「キャンプ指導者入門 第5版」の第4章に示されている「安全管理」について講義を受けました。
しっかり基準の講習時間をこなしながら、キャンプについての深い知識を得るため、机上の講義を受けました。
2日目の朝食は牛乳パックを利用したカートンドッグです。ホットドッグをアルミホイルで包み、空の牛乳パックに入れて、それをたき火で焼くことで出来上がるのです。
2日目午前中は講義は間下さんによる「キャンプの意義と目的」「組織と種類」です。
次の講義は「キャンプのルールとマナー」、そして「環境教育」です。この講義は福井県キャンプ協会の副会長である山田さんと事務局長である坪田さんにお願いしました。
キャンプのルールとマナーについて講義する山田さん
2日目のお昼ご飯は、災害対策も含めて、どのようにご飯を炊くかの第二弾です。
1人ずつ不織布にお米を入れて鍋で炊き上げ、簡単な味噌汁をつくってそれを昼食としました。
午後からはJIRIの自然観察です。今回は「浜口式フィールドビンゴ」を楽しみながら自然観察するもので、葉1枚の形や維管束の見方、植物や自然の多方面からの見方を学んでもらいました。平成22年に亡くなられました浜口哲一さんは、平塚市博物館の元館長で、楽しい自然観察を指導されることで有名であった先生です。その浜口さんが提案されたフィールドビンゴを実践しました。
続いて、JIRIのロープワークです。今回は①フィギュアーエイトノット、②スクエアーノット、③ボウラインノット、④ダブルフィッシャーマンズノット、⑤ガースヒッチ、⑥プルージック、⑦クローブヒッチ、⑧あぶみ縛りを学んでもらいました。
次は、「人間と心身の理解」について福井県の山田さんが講義されました。
その後に安全に重点を置いた「キャンプの安全とファーストエイドの実際」を岐阜県キャンプ協会の間下さんが、実例を示しながら講義されました。
夕食後はキャンプファイヤーです。中心のファイヤーから全員がファイアトーチ(fire torch)に着火させました。
キャンプではこの炎を見ることで意識的にも盛り上がるのです。全員が一つになったような気持ちになって、次の講義になだれ込みやすくなります。
さぁ、3日目の朝です。
一息置いてから講義です。
キャンプを開催する場合の対象理解、これはキャンプ指導が教育学的にも重要な位置を占めているため、しっかり理解しておく必要があります。
ここは福井県の坪田さんが、「自然環境の理解」について、キャンプ協会のテキストに則ってしっかり講義していただきました。
続いて「コミュニケーションスキル」についても学びました。楽しいキャンプでも、いつ何が起こるかわからないので、コミュニケーションをしっかりとることの重要性も認識してもらいました。
キャンプは「野外活動の王様」と呼ばれていましたが、現在は多様な野外活動が展開しており、キャンプと言っても以前のような集団で、しっかりテントを張るものから、ブッシュクラフト的に過ごすキャンプ、一人で楽しむソロキャンプと多様化しています。
今回は今まで以上にモチベーションの高い参加者に恵まれ、講師陣も大満足な講習会になりました。気持ちよく晴れてきたので、参加者と講師陣で記念撮影しました。
さて、残るは「認定試験」です。ここでしっかりキャンプについて理解できているかが試され、成績が良くないと「キャンプインストラクター」に認定されません。
確認試験の時間は60分ですが、多くの方が30分早く回答し終わり、回答確認で正解率の低かった項目については、再度、正しい内容を説明して理解してもらっていました。
そして3日間の講習終了証と、キャンプインストラクター認定証を各自に手渡しました。
ほとんどの参加者はこのキャンプインストラクター養成講習会で初めて岐阜県立森林文化アカデーmorinosに来られた方でしたが、一部の参加者は少しmorinosで遊んだり、見学されてから帰路につかれました。
岐阜県キャンプ協会、福井県キャンプ協会の皆さま、ありがとう御座いました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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