あれ?それ小枝?里山ナイフ教室の『小枝を削って作るサンタクロース』

開催した日:

晴天に恵まれた11月の三連休の中日、今年度最後の岐阜県百年公園でのナイフ教室を行いました。

里山林の間伐

里山林を間伐して材料に使います

おとなと子どもの里山ナイフ教室では、関市にある岐阜県百年公園をメインのフィールドに活動を行っています。今年度、お願いして使わせて頂いているエリアは笹や下木がわっさわさで、4月の最初の活動では人が入るのも困難な場所でした。ナイフ教室では、ここを間伐、お手入れをするような形で伐り出した枝木をナイフクラフトの材料として森から頂いています。

手入れを始めた森は少しずつ視界がひらけてきました

半年間通った森は少しずつ視界がひらけてきました

ナイフ教室に来て、なんで森のお手入れ?と思われるかもしれませんが、これがやってみると楽しい作業なんです。

自分の身長よりもはるかに高く伸びた木を、参加者で協力しながら伐っていきます。
伐った木を地面に引き倒すと、木の重さや大きさを直に肌感覚で感じることができます。
森の中で1本だけ伸びるホオノキや太く残されたサカキからは、この森にかつて入ってきていたであろう人がどんなことを考えたんだろう?と想像を膨らませることができます。
道具の使い方や森の見方などをお話ししながら行う森の作業ですが、今回は「はじめて森に入りました」という参加者の方も、木を伐るのがこんなに楽しいなんて!というご感想をきかせてくれました。

山から伐ったタカノツメを作業しやすいサイズに切ります

山から伐ったタカノツメを作業しやすいサイズに切ります

森から伐り出した木を、今度はナイフで削りやすいサイズに伐り直します。

「ほど良い長さ」を測るのに、目盛りの付いた定規は使いません。
自分の手の指をぐいっと開いて、どれくらいの長さかな?と体の定規で測ります。
ここでは「だいたい」でものごとが進んでいきます。

けずってけずって

けずってけずって

それでも、間違えて切ったり削ってしまってはがっかりです。

なので最初に目印にテープを貼ったり、鉛筆で印をつけたりして、ナイフで削っていきます。
枝の表面をなでるように削って樹皮を落としたり。
刃先でちょこちょこ削ってサンタクロースの顔を作ったり。

最後の仕上げに思い思いの帽子のかたちを作っていったら・・

仕上げ削りは大人だって真剣

仕上げ削りは大人だって真剣

小枝をけずってサンタを・・小枝?

小枝をけずってサンタを・・小枝?

思い思いのかたちをしたサンタクロースが1つ、また1つとできてきました。

できあがったサンタクロースに今度は色を塗っていきます。
でも、慌てて色を塗ってしまうと、違う色を使った時に色が混ざってしまいます。

だから、色を1色塗ったら、その間にもう1つサンタを作ります。

それぞれの色塗り

それぞれの感性で色塗りを

サンタクロース、素敵な3人組

サンタクロース、すてきな3人ぐみ

こちらも素敵なサンタクロース

こちらも素敵なサンタクロース

塗ったミルクペイントが乾くまで時間がかかるので、まだ顔は描いていないサンタクロース。
でも、お家に持って帰ったら、かわいいお顔を描いてください。

いろいろなサンタクロースが

いろいろなサンタクロースが

いっぱい、いっぱい

いっぱい、いっぱい

笑顔の中でできました

笑顔の中でできました

細いサンタクロース、長いサンタクロース、赤いサンタクロース、青いサンタクロース、太っちょサンタクロース、いろんなサンタクロースを皆さん楽しみながら完成させることができました。
今回、プログラムのタイトルは「小枝をけずって作るサンタクロース」だったのですが、森に入ってみると、「今回はこの木を伐っておきたいな・・」というのがちょっと太めだったんです。リピーターでもある参加者の方から「これで作りたいですけど良いですか?」とのお声もあり「お好きにどうぞ。大変になってきたらサポートしますよ」という感じのゆるさで、それぞれにイメージする「サンタクロース」を作って頂く1日になりました。太い枝を削っていくの方は大変そうでしたが、作りたいものに対して真っ直ぐで、とても良い顔をされていると思いました。

今日、みんなで入った森は一般の林業で言えばお金になる木は無い森、荒れた森。
でも、そういう森に入っていって、木を伐って、ものを作るのが自分はとても好きです。

そういえば今回、サンタクロースのミルクペイントを乾かすときに、サンタを立てておけるよう「洗濯バサミ」を持って来ようと思ったんです。

でも、人は忘れる生き物だから持ってくるの忘れちゃったんですね。

なので作りました

なので作りました。

森に木がある。
カバンの中にノコギリとナイフがある。
それでけっこういろんなものが作れてしまうんです。

ここで、今回ご参加頂いた皆さんの感想をアンケートからご紹介します。

「実際に山に入って木を伐ることから始めて楽しかった」
「いろいろ話を聞きながら木を切るのが楽しかった」
「森の中で集中する時間、とても楽しかったです」
「5歳でも1人でできたので感動しました」
「時間がもっとあったら嬉しい」
「削っていると楽しく、イメージもふくらんでくるので、時間があっというまだった」
「森に入るのが初めてだったので、親子ですばらしい時間を過ごせました」
「親子で良い時間をすごせるので、また来年も来たいです」

葉っぱで遊ぶのも楽しい

この葉っぱはたくさん刺せるという発見もありました

今年度の岐阜県百年公園でのナイフ教室は今日で最後です。
またご縁があれば、来年もこの場所で一緒に遊びましょう。

ご参加頂いた皆さん、ありがとうございました!

◎後日、参加者の方に完成したサンタクロースの写真を送って頂きましたので、許可を頂いてこちらに紹介させて頂きます。

完成したサンタクロースの写真を送って頂きました

とてもかわいいサンタが完成しましたね!

森から生まれた小さなサンタクロースが素敵なクリスマスを迎えてくれそうです!

森林文化アカデミー
木工専攻講師 前野 健

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