岐阜県博物館『秋見つけ』できのこ観察
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本日は岐阜県百年公園内にある岐阜県博物館の『秋見つけ』、博物館の先生や学芸員さんたちと一緒に「きのこ観察」も実施ました。森林文化アカデミーから津田格教授、morinosからJIRIが参加して一緒に植物&きのこ観察会を実施しました。
百年公園にあるマテバシイの枝先にホウライタケがついていました。ホウライタケの仲間は黒色の根状菌糸束を形成しますが、これは「山姥の髪の毛(ヤマンバノカミノケ)と呼ばれています。
百年公園内にたくさんあるケヤキにはコフキサルノコシカケがいくつも発生しています。このきのこは木材腐朽菌なので、ケヤキの材内部は腐っています。
胞子を飛ばす孔面は白色で、棒などでこすると茶色に変色します。
山裾を見ると白っぽいきのこが見えたので、近寄って見るとカタツムリが摂食中でした。カタツムリやナメクジは人間とは消化系の仕組みが違うので、食用きのでも毒きのこでも平気で食べています。このきのこはクヌギタケの一種でした。
次に見つけたのはセンボンイチメガサです。
センボンイチメガサは春から秋まで見られ、子実体(しじつたい)は広葉樹や針葉樹の枯れ木に群生または束生します。食用にできますが、猛毒のコレラタケと肉眼的に区別できない場合があるので食べない方が賢明です。
次に見つけたのは雨に濡れたイタチタケ。
イタチタケは世界中に存在するきのこで、夏から秋にかけて、広葉樹の倒木や切り株に発生します。淡い茶色で、傘は5cm前後と少し小さいです。食用で癖がないきのこです。
道端でカバイロコナテングタケ(樺色粉天狗茸)が見つかりました。このきのこはアカマツやコナラのある場所で樹木と共生する菌根菌です。しかしテングタケの仲間なので有毒です。
道下のコナラの切り株にホウロクタケが多数発生していました。
広葉樹の枯木や切り株上に生えるサルノコシカケの仲間です。ホウロクとは素焼きの平たい土鍋のことで、漢字で「焙烙」と書きます。ホウロクは食べ物を煎ったり、蒸したりする道具で、素焼きの鍋とこのきのこの色が似ていることから名付けられました。
終盤で見つけたのはカバイロツルタケ(樺色鶴茸)です。
このきのこは有毒で有名なテングタケ科の中でも少ない可食種とされますが、生食は危険ですし、よく似た毒きのこも多いので食べない方が賢明です。
さて、本日の観察会で見つけたのは、①ウズラタケ、②ホウライタケ、③コフキサルノコシカケ、④クヌギタケの1種、⑤センボンイチメガサ、⑥カレバキツネタケ、⑦マンネンタケの仲間、⑧ハナウロコタケ、⑨ニガクリタケ、⑩イタチタケ、⑪カワラタケ、⑫カバイロコナテングタケ、⑬カワリハツ、⑭ホウロクタケ、⑮ベニタケの1種、⑯クラガケノボリリュウ、⑰カバイロツルタケ、⑱アセタケの1種、⑲アオゾメタケ、⑳アオズキンタケ です。
今年はきのこが不作の中、本日はみなさんご苦労様でした。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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