『はだしのトレイル16回目(2022年6回目)』
開催した日:
昨年2021年から実施している『はだしのトレイル』づくり、今回も山梨から金子潤さんにお越しいただいて有志によるトレイルづくりと改修工事を実施しました。
最初に脚の裏をスキャンしてから作業に移動です。今回は立ち上がった状態でのスキャンと、椅子に座った状態での足の裏の両方をスキャンして、体圧のかかり方などを記録しました。
今日の作業も暑い中の大変な作業なんですが、金子さんの背中を見るとがぜん頑張る気が湧きます。
エース栗原さんの「明日やろうは、バカ野郎だ!」を見ながら、まずは山に向かいました。
本日早朝、演習林の散策に出掛けた金子さんが、「今朝、山の神の場所に行ったら、磐座(いわくら)から雫が滴っていたので見に行こう」と言われるので、「はだしのトレイル」の完成形の見本にしようと全員で見に行きました。
どうせ見に行くので、急斜面は靴を履いて行きますが、緩斜面は裸足になって山の神を目指しました。
演習林にある山の神の場所は、何故かハイゴケやオオシラガゴケが繁茂しています。
裸足で斜面を登ってきた参加者も、心地よい足の裏感覚にご満悦の様子。足の裏で様々な触覚を感じることが重要なのです。
下の写真は大きな岩面です。磐座の下には山の神が祭られており、右は110年生のスギ、左は110年生のヒノキです。
正面の岩からは雫がポタポタ滴り落ちています。岩に水が入って氷ることで膨張して割れたり、岩の割れ目に植物の根が入ったりして空間ができ、その空間に落ち葉や菌根菌が入り込んでいきます。
山の神がある演習林周辺はmorinosより外気温が4℃ほど低く、気持ちの良い裸足散策となりました。
山から下りて来る時に、多くの人は途中から靴を履いたのですが、参加者のお子さんはmorinosまで裸足のまま降りてこられました。
演習林の山の神を見学して降りてきたので、再び足裏スキャンしました。
最初と同じように立った状態と座った状態で、足の裏の体圧や足指の広がりなどをスキャンして記録しました。2回目のスキャンで足裏にアーチができてきたのが分る人もいました。
前回まで作成してきたトレイルでは周回路になりにくいので、周回になるように新ルートを計画しました。
コース取りや施工方法は金子さんが指示し、それに従って作業を進めます。新ルートには近自然工法の丸太施用をします。
新しいルート策定には、水の流れを十分勘案して、不要な植物や岩石の除去、丸太設置の場所づくりなどをしました。広葉樹が繁りやすく、かつ菌根菌が侵入しやすいように土中に空隙を増やす工夫も重要です。
手鋸や唐鍬などを用いて作業に取り組みました。
近自然工法で組む丸太の設置は意外に難しく、丸太が動かないだけでなく、丸太の下を雨水や表面流が流れないように、しっかり固定するのに四苦八苦しました。丸太のどの面を下に向け、現場土壌や石でどのように固定するのか。一つ一つが試行錯誤です。
見た目は悪いですが、急斜面に何本も丸太を設置しました。急斜面であるため、常に三角形になるように丸太を配置するのが難しい。
また水が一方向に流れず分散するように配置するのが一苦労なのです。
急な斜面に設置した丸太
はだしのトレイルにある切り株からは「フサヒメホウキタケ」が出ていました。こうした木材腐朽菌でが見られるだけでも楽しいものです。
今日は他にも菌根菌のミドリニガイグチや、落葉などで発生するスジオチバタケなども発見できました。
後半戦で、金子さんが森の入り口付近の地面が少し硬くなってきたことを指摘されたので、みんなで確認すると、確かに硬い。歩道の石をどけると、空隙があるため菌糸が張り付いていました。
そのため石をある程度敷き詰めて空隙を作ること、腐葉土を入れ込むことを決めました。
金子さんの指導で、新しい丸太を設置するとともに、石を敷き詰めて空隙をつくることにしました。
並べるのは簡単ですが、石がなかなか安定しません。歩きやすく、動かない石選びも一苦労です。
水はけも考えて、時間をかけて石を並べました。
石を並べ終わったら、アラカシなどの常緑広葉樹の林床から集めた腐葉土を敷き詰めました。
完成して歩いて見ると、予想以上に「いい感じ」です。
腐葉土を入れて本日は完了
さて今回もご協力いただき、誠にありがとう御座いました。
morinosはみんなでセルフビルドする場でもあり、他には無い「はだしのトレイル」が出来上がるのを楽しみにしています。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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