森林文化アカデミーのユニークな講師陣によるスペシャルプログラム。今回のテーマは森と木のクリエーター教育に不可欠な「わからないものと向き合う」素養を育む「クロッキー体験」です。

「クロッキー」とは、人や動物、静物を素早く描くことです。似た言葉でデッサンやスケッチがありますが、それらと大きく違うのは完成までの時間です。３～10分程度で仕上げることから「速写」とも呼ばれます。モノを短時間で観察して表現するため、描くことより見ることにウェイトを置きます。

ゲストの松井先生は平日毎朝、学生と一緒にクロッキー教室を自主的に行っており、手を動かして人に見せ、講評をもらうことで「いいもの」をつくるクリエーターを育てたいと、日々奮闘しています。
「いいもの」をつくるために必要なのは「審美眼」と呼ばれる美を的確に見極めるセンスを磨くこと。その第一歩として、最も身近な自然であり、誰しも興味関心を持つ「人」をモデルに、何度も見て描くことに取り組んでいます。こうして培われた審美眼を持ったクリエーターを増やすことが、これからの森林文化の創造には必要なのです。

今回は、クロッキーの経験はもちろん、普段絵など描いたことがないという方を対象に、5分間で描いて講評しあうことを4回繰り返します。その体験を繰り返すことを通じてモノを見ることの大切さに気づき、さらには絵の見方や、他人がどのような気持ちで描いたか分かるようになります。

上手く描くことは求めていません。クロッキー体験を通じて自分自身にとっての「よいもの」が何かを発見していただきたいと思います。
クリエーターに興味のある方、普段とは違ったものの見方や感じ方を体験したい方に特におススメです。

【講師プロフィール】

　松井　匠（まつい　たくみ）さん　岐阜県立森林文化アカデミー　准教授

東京都出身。公園に行っても走り回らず、座って、地面に枝で絵を描く子どもだった。高校２年のときに「絵を描く」ということにきちんと向き合おうと思った。美術大学卒業後、父が経営する東京都中野区の建築設計事務所で「木組の家」の設計に携わる。「民家に学ぶ木組の家づくり」を通して、都市計画、山林の保全、１本の手摺のデザインまで、具体的に風景を変えていく仕事を知る。

2017年、森林文化アカデミーに木造建築専攻の講師として就任する。木造建築全般と、クリエーターになるための美術の基礎、情報発信を教えている。

【松井先生からのメッセージ】
　わたしは「何かを見て、それをそのまま絵にする。」ということが好きで、ずっとそればかりやってきました。たくさんの物や人を見ては描くことを繰り返すうちに、いつしか他人の描いた絵がとてもおもしろく、エキサイティングなものに見えるようになりました。同じモデルを、同じ時間に、同じ場所で、同じサイズの紙に、誰かと一緒に描く。ありそうでなかなか無い、面白いひとときです。
　みなさんがどんな絵を描いて、どんなことを話すのか、とてもたのしみにしています。

●開催概要　——————————————————

【開催日時】2023年12月３日（日）９:30〜12:45
【開催場所】岐阜県立森林文化アカデミー　テクニカルセンター
【主　　催】morinos（岐阜県立森林文化アカデミー内森林総合教育センター）
【運　　営】ＮＰＯ法人ホールアース自然学校
【対　　象】成人（クリエーターに興味のある方、普段とは違ったものの見方や感じ方を体験したい方に特におススメです）
【定　　員】10名（応募多数の場合抽選。岐阜県内在住・在勤・在学者を優先します）
【締め切り】11/19（日）17時
【参加費用】無料

●当日のスケジュール——————–

09:00　受付開始（テクニカルセンター）
09:30　開会（講師・参加者自己紹介、概要説明、morinos紹介など）
09:40　クロッキー体験①＋講師からの講義＋講評（50分）
10:30　クロッキー体験②＋講師からの講評（30分）
11:00　休憩（10分）
11:10　クロッキー体験③、他人の絵の講評＋講師からの講評（40分）
11:50　クロッキー体験④、他人の絵の講評＋講師からの講評（40分）
12:30　まとめ、ふりかえり
12:45　終了

●申込方法（以下の専用フォームからお申込みください。11/19　17時締切です。）

●問い合わせ先————————————

岐阜県立森林文化アカデミー事務局内　森林総合教育課（morinos）
受付担当：大武圭介（おおたけ・けいすけ)　NPO法人ホールアース自然学校

〒501-3714 岐阜県美濃市曽代88番地
Tel：0575-35-3883（火・水休館）
当日携帯：090-1284-1466
E-mail： morinos@wens.gr.jp