森林サービス産業のための指導者講座「未経験から富士山ガイドの先駆者へ」を開催しました
開催した日:
森林サービス産業のための講座として、登山者と環境に配慮した富士山ガイドの先駆者である近藤光一さんをお招きして、『未経験から富士山ガイドの先駆者へ』を開催しました。
「富士山登山学校ごうりき」代表で、株式会社合力 代表取締役の近藤光一さんは 、35才でガイドツアー会社を起業し、富士山の自然保全とエコツーリズムの推進に情熱を注ぎ続けてこられました。その活動は高く評価され、環境省「エコツーリズム大賞」大賞、ジャパンツーリズムアワード「国内ビジネス部門」2年連続入賞、総務省「ふるさとづくり大賞」個人総務大臣表彰など、数多くの受賞歴があります。

「ぼくの仕事場は富士山です」(講談社)表紙
著書『ぼくの仕事場は富士山です』(講談社)は、中学2年生の道徳教科書に6年連続掲載されるなど、次世代へのメッセージ発信にも力を注いでおられます。
講座では、ガイドの存在意義、多様なオリジナルツアーの企画・販売・プロモーション、地元の子どもたちに「富士山愛」を育む人材養成など、「合力の流儀」をたっぷりと語っていただき、森林サービス産業につながる自然を活かした事業化のヒントや、ガイド養成・運営のポイントについて教えていただきました。

参加者全員での自己紹介
これまで800回近く富士登山ガイドをされた近藤さんは、単に山頂を目指すのではなく、富士山周辺地域も含めた地域の魅力掘り起こしと発信を目的に、2年前から山頂を目指す登山ガイドから、青木ヶ原樹海周辺の魅力を伝えるガイドへと転向されていました。
最近の報道では、富士登山者が増加しているようにも見えますが、60年前の新聞記事には「1日に30,000人が登頂した」とあります。2025年の実績では1日に3,000~4,000人であり、数値だけから見れば登頂する人は減っています。
近藤さんも当初はマスツアー型の富士登山ガイドをされていましたが、当時の登山はゴミやトイレ問題など環境に配慮されたものではなかったそうです。そこで、登山ガイドの先進地であるスイスで学び、観光振興と景観保全を目指した「グラマラス富士登山」につながるエコツアーを始められました。

富士登山ガイドを目指した経緯を語る近藤さん
一般的な富士登山ガイドが旅行会社などからの一括依頼が主流であった中で、近藤さんは富士山では先駆的に自主企画によるツアーを催行されました。
「グラマラス富士登山」は星野リゾートや山小屋の関係者と連携した事業で、参加者に寄り添ったガイドをすることで、ホスピタリティを感じてもらい、リピーターの増加にもつながったそうです。

「グラマラス富士登山」の内容を聞く参加者
講座では、富士登山のスタイルの違いを「個人で登山」「旅行会社による登山」、「合力(ごうりき)エコツアー」の3パターンで比較しながらお話しいただきました。
「合力エコツアー」では、単に心地よい登山ガイドをするだけでなく、事前のヒアリングやカウンセリング的な聞き取りを充分実施するなど、少しでも快適なツアーになるような気配り、心配りがなされています。

登山パターンの違いを説明する近藤さん
近藤さんのエコツアーに参加される方々も近藤さん自身も、「富士山に触れることにより”生まれ変わり”の体験をする」とか、「自分の外にも内にも多くの気づきを得ることができる」などと感じられておられるそうです。
近藤さんは、参加者に「満足」してもらうだけでなく、「感動」を提供できるようにすることを心掛けているそうです。こうした「感動」の提供はリピーターにつながる、と語ってくださいました。
また「ガイドという仕事」について、ガイドに必要な技術・能力、合力ガイドの役割、期待と実感、そしてガイドとしてレベルアップするチャンスなど、幅広い視点で説明されました。
さらにVisionとして、①目に見える価値 と ②目に見えない価値 についてもお話しいただきました。

「ガイドという仕事」の期待と実感について説明する近藤さん
参加者からは「12回もリピート参加された方にどのように対応されたのか」などの質問や、リバーガイド経験者からの参加者対応の難しさに関する質問など、多くの質問が寄せられました。
最後に近藤さんからは、「富士山は未来の子どもたちからの大切な借り物です。今よりもっとよい状態で返していきたい。」と、近藤さんらしいメッセージをいただきました。

リバーガイドの経験から質問する参加者
岐阜県でも行政として森林サービス産業を推進しており、今回の近藤さんのお話は新しいプログラム展開する上で、多くの示唆をいただけたと思います。近藤光一さん、中身の濃いお話をありがとうございました。
morinosでは今後も森林サービス産業につながる講座を企画・運営していきますので、ぜひご参加ください。
以上報告は、JIRIこと川尻秀樹でした。
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529



