親子で楽しむ 弁当箱作り&漆塗り体験を実施しました

開催した日:

 真冬とは思えない暖かな日となった1月19日(日)、曲げわっぱで弁当箱作りと漆塗りという本格的な木工体験を実施しました。親子9組23名が参加しました。講師は各務原市で曲物工房を開いている清水貴康さんと、美濃市で漆芸工房を開いている古田一さん。
地元でそれぞれ活躍されているお2人のコラボによる、普段では体験できないちょっと贅沢なワークショップとなりました。

清水さんと鈴木さん

清水さん(右)とアシスタントの鈴木さん(左)

 前半は清水さんの指導で弁当箱づくりを行いました。最初に清水さん自身の自己紹介と「曲げ物とは何か」「製作工程」のレクチャーをしていただきました。
曲げ物の歴史
 曲げ物が由来と言われることわざに「身も蓋もない」があるとのこと。この「身」は本体のことで、本体も蓋もない状態=何も隠せない状態を表しているそうです。
 そしていよいよ作業開始です。初めに「曲木(まげき)」と呼ばれる技法を体験しました。
 お湯で温めた板を型に当て、押さえながら曲げていきました。円形に形を整えて木ばさみで固定して乾かします。

 曲げ加工の体験後は、いよいよ弁当箱づくりです。今回、時間短縮のため半完成品の状態まで仕上げていただいており、「カンバ編み」と呼ばれるヤマザクラの皮を使って側板を綴じる工程を最初に行いました。
カンバ編み

 ヤマザクラの皮は丈夫で柔らかいので、小刀を使って編めるほど薄くなるまで小刀で削っていきます。途中で切れてしまうこともありましたが、本体と蓋の両方で使えるよう加工して無事に編むことができました。

次に、底板と天板の組み立てを行いました。こちらも既に加工済みですが、木槌を使って慎重に側板の中に打ち込みました。最後に木釘で固定して完成です。

 順調に作業は進み、昼食前には全員が弁当箱を完成させることができました。

 昼食後は漆を使った仕上げの塗装です。最初に古田さんから漆塗りの歴史や、漆の特徴についてミニレクチャーをしていただきました。縄文時代の遺跡から既に漆塗りの髪飾りが出土しているなど、日本人と漆の関わりは長い歴史を持っているとのこと。

古田さん

漆塗りの講師・古田さん

 今回は「摺り漆塗り」という、直接木地に生漆を塗り、ふき取るシンプルな技法を体験しました。人毛を使っている漆塗り専用の刷毛で塗っていき、乾く前にしっかりとふき取ります。漆が塗られた木地は塗る前と違って独特のつやが出て、木目がハッキリと見えてきます。
 古田さんの実演の後、親子それぞれ夢中になって漆塗りを楽しみました。

 全員が無事仕上げることができ、箱に入れて持ち帰って乾燥させることになりました。古田さんから「漆は乾燥した場所ではなく、カビが生えるような温かくて湿った環境で乾くので、そうした場所で乾燥させてください。中に入っている漆は乾燥に時間がかかるので、1週間くらいはかかると思います。」とコメントがありました。

 曲げ物や漆器という伝統工芸品は、高価で日常使いしづらいというイメージを持つ方も多いかもしれません。
 今回、自分で作ってみるという体験を通して、昔から受け継がれてきた技術の奥深さや、モノづくりの楽しさを感じてもらえればと考え、企画しました。完成した漆塗りの弁当箱が、それぞれの家庭でどのように使われていくのか楽しみです。

【参加者の声】※アンケートより抜粋
・漆塗りは、貴重な体験なので、親子共々、じっくり丁寧に集中して取り組みました。塗っている最中も、色が濃くなっていく様子がわかり、拭き上げると更に木目の美しさが際立って、こんな素敵な物が毎日使えるお弁当箱として持って帰れるなんて…と2人でニコニコが止まりませんでした。
・ただ組み立てるだけ、漆を塗るだけではなく、座学的な部分で知識を教えてきただきとても勉強になりました。桜の木の皮でわっぱを編むというのが初体験でとても面白かったです。曲げわっぱは2つ持っていたんですが、改めて家のものを見てしまいました。子どもも一生懸命やっていて、こちらがアドバイスするとうるさい!と言って自分なりに真剣にやっていて普段見られない姿が見れてよかったです。

報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース自然学校

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