『森と人の未来実践ワークショップ』を開催しました

開催した日:

 自然体験指導者研修として、上田融さんによる~森も豊かになるプログラム~『森と人の未来実践ワークショップ』を開催しました。

 上田さんは北海道苫小牧市の森の中での暮らしを実践しながら、「いぶり自然学校」を運営されています。今回は、上田さん自身がどのようにして森での自然体験活動を生業にしたのか、②北海道で指導されている「森での自然体験活動」の内容、そして③全国の保育士さんの処遇改善を促すためのキャリアアップ研修、という3つの視点から、「森との関わり方を考えるワークショップ」を実施しました。

本日の内容を説明する上田融さん

本日の内容を説明する上田さん

 上田さんは「昨晩、こちらのコテージに泊まったら、深夜に足音がした。動物かと思ったが、人の足音だと確信した。今朝その痕跡を追ったところ『棒人間』だと分かった」という誘い話から、全員が上田さんに続いて森へ向かいました。

棒人間について話す上田さん

棒人間について話す上田さん

 参加者は訳の分からない『棒人間』の説明を受け、疑問を抱きながらも上田さんを追って森へ歩き始めました。

 上田さんは棒人間の説明をしながら、突然、「『棒人間』を発見?」と叫んだので、参加者は疑問だらけのまま、森をのぞき込みます。

 やがて参加者はいろんなヒントを見つけ、1人、2人と『棒人間』を発見。『棒人間』とは、「立っている人の姿」のように見える落枝でした。

森の中で『棒人間』を探す参加者

森の中で『棒人間』を探す参加者

 さらに「奥に家がある‼」という声。それは斜面に斜めに落ちた太めの枝でした。

 疑問だらけになりながらも、参加者はまんまと上田さんの誘導で森の中へ。上田さんの話術にはまっていく参加者、これが上田流の森への導き術だったのです。

 森の中で「落枝の話」や「森の仕組みの話」を聞いた後は、全員が森で見つけた『棒人間』ならぬ小枝を手に持って、モリノスひろばの焚き火の場所に集合。

 そこで焚火を使った美味しいお菓子の話、続いて名古屋名物ういろう、マシュマロを各自が焚火で焼いて食べながら、参加者は森への導入手法、森での遊び、森のお話など、上田ワールドに導かれた森での体験をシェアリングして午前の活動を終えました。

整枝剪定を兼ねて交叉した枝を切除する参加者

整枝剪定を兼ねて交叉した枝を切除する参加者

 午後からは、「スプーンづくり」のプログラム。

 スプーンに利用する木材は、むやみに樹木を伐採するのではなく、森の整備に繋がる整枝剪定を兼ねて伐採します。具体的には、木に悪い影響を与えるとして造園業者が切り落とす交叉枝や懐枝(ふところえだ)伐採して、その枝を利用します。

各自でスプーンの柄になる枝を切り出し中

各自でスプーンの柄になる枝を切り出し中

 最初に見本のスプーンの柄を握って、自分に合うサイズの太さの枝を選びます。太さとともに長さもどうしたら良いか迷いますが、とにかく1本を切り出しました。

 今回のスプーンは、匙部分は新潟県三条市でつくられた金属製のものを利用し、柄の部分に木材を利用しました。

道具の使い方を説明する上田さん

道具の使い方を説明する上田さん

 各自が切り出した枝を持って、加工する作業場に移動。

 ここで上田さんが用意した道具の使い方と作業上の注意点、また重要な事故事例などを解説されました。

 また、こうした作業を取り入れたプログラムの組み立て方など、指導者がどのように指導すべきかを豊富な経験から教えて頂きました。

自分だけの逸品づくりに没頭する参加者

自分だけの逸品づくりに没頭する参加者

 参加者は自分用のスプーンづくりにのめり込んでいきました。生の木材を削るグリーンウッドワークは、乾燥した木材と比較して、刃物のあたりが柔らかく、サクサク削れます。

 参加者は会話も忘れて一生懸命作品づくりに没頭していました。

完成したmyスプーン

完成したmyスプーン

 さて、全員がmyスプーンを完成させたので、記念撮影。色合いも太さもまちまち、どれも自分の手に合ったスプーンに仕上がりました。

1日の「ふりかえり」をする上田さん

1日の「ふりかえり」をする上田さん

 最後の「ふりかえり」では、

 ①知らないうちに森に誘導されていた。

 ②専門家でなくても一流の二流になろうと思った。

 ③森の整備をしながら遊びも一緒にできることを知った。

など、今後自分たちが指導者として活動する際に、どのように森へ誘導したらよいのか、森での活動の幅の広げるにはどんな方法があるか、など様々なヒント得られたという感想が寄せられました。

 本日の講師、上田融さん、本当にありがとうございました。

 以上報告はJIRIこと川尻秀樹でした。

 

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