岐阜県百年公園で『森学び・アートワークショップ』を2日にわたり行いました
開催した日:
11月16日(土)、12月1日(日)の2日にわたり、岐阜県百年公園の里山林やかやぶき屋根の古民家で『森学び・アートワークショップ』を開催しました!
このプログラムの目的は、来年度に開催される全国都市緑化ぎふフェアに向けて、地域の公園やその自然への関心を高める一環として企画されたものです。このプログラムについては岐阜県立森林文化アカデミーが企画を行い、教員や学生、卒業生、そして、山県市の保育士の先生方にサポートスタッフに入って頂いて実施しました。
朝10時、岐阜県百年公園の古民家に集合した約20名の参加者の皆さんと最初に行ったのは『森の生き物について学ぶ』フィールドワークです。
このパートでは森林文化アカデミーの林業専攻の学生が、森に住む動物たちの特徴を紹介しました。森の生き物は外敵に襲われないよう、それぞれの作戦で森に溶け込みながら生きています。生き物の模様カードを実際に森の中に置いて、景色に溶け込んで目立たなくなることを確認したり、様々な動物の特徴的な歩き方を真似てみたり、クイズを通して森の動物たちについて学びました。
生き物についての学びの後は、公園の散策路から少し道を外れて森に入っていきます。森の中に足を踏み入れていきながら、昔、森が暮らしの中でどのように使われてきたかを学びました。
森とかつての暮らしが繋がっていた頃についてイメージができるようになったところで、この日はかんたんな『森の整備』も体験してもらいました。人が入らなくなった森は笹が生い茂り、動物にとっては身を隠しやすい住処になります。一方で、そのような森が人の生活区域と近接してしまったことによって、野生動物と人との望まない接触が近年社会問題にもなっています。そんなお話も交えながら、剪定ばさみとノコギリを使い、森の笹刈りと小径木の間伐作業を行いました。
森の中のフィールドワークで体を使い、おなかもすいてきたなーというところで、時間もちょうどお昼の頃に。ここで1度古民家に戻り、参加者の皆さんそれぞれにお昼ご飯を取って頂く休憩タイムをとりました。
この古民家は国登録の有形文化財なのですが、今回は県博物館とも連携を取り、午後からのクラフトワークの会場として使用させて頂きました。今年の春に改修工事が終わったかやぶき古民家は、維持のために時々囲炉裏に火を入れる必要があります。今回は学芸員さんに囲炉裏に火を入れて頂き、おとな達は囲炉裏を囲んでお茶を飲んでくつろいだり、子ども達は薪をくべて楽しんだりしていました。
午後からは、森の整備で切った木を材料にして、「いきもの作り」のナイフクラフトを行いました。
参加者の皆さんには「むし」「どうぶつ」「花」のいずれかを選んで頂き、それぞれに作品作りをしてもらいました。ここで作って頂いた作品は、来年度に開催される第42回全国都市緑化ぎふフェア(ぎふ グリーン・ライフ フェスティバル2025)の中で、岐阜県百年公園内に展示される予定になっています。
この日のクラフト製作には、日ごろから子ども達とナイフワークのもの作りをされている山県市の保育士さん達にもお手伝いで参加して頂きました。イベントでは5歳の幼児さんから大人まで、幅広い世代に参加してもらいクラフトを楽しんでもらいました。今回初めてナイフワークを体験するという方もいらっしゃいましたが、じっくりとそれぞれの作品作りを楽しんでもらうことができました。
今回参加された方の中には、子どもの頃に落ち葉の秘密基地を作ったり、ナイフで木を削って遊んだりしていたんだ、という方もいらっしゃり、お子さん達にそのころの思い出を楽しそうにお話されていたのが印象的でした。岐阜県内の公園には地域ごとに様々な形で自然を取り入れたフィールドがあります。通常は公園の枝木や植生の採取は禁止されていますが、イベントを通じて多様な自然体験をすることもできる機会があります。かつては暮らしと身近にあった森の生活や自然の楽しみ方を、公園のフィールドで遊びながら学んで頂けたらと思います。
来年度開催される全国都市緑化ぎふフェアもお楽しみに!
岐阜県立森林文化アカデミー
木工専攻准教授 前野 健
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529